アンオーソライズド(英語学習リファレンス)

英語の表現や文法についてゆるゆると

時制とアスペクト

平成21年12月の文部科学省

高等学校学習指導要領解説

外国語編英語編では、

高校で指導する内容に、

「動詞の時制など」という表現で、

『など』は時制とアスペクトの組み合わせを

指している、と明記されています。

 

高校の先生で、アスペクトという概念を

持っている方はどれくらい

いらっしゃるでしょうか。

 

結構しっかり言語学を学ばないと、

アスペクトという概念に出会うことなく

教員になると思いますし、

そのことでその方を責めることは

できないと思います。

 

時制は、現在・過去、

アスペクトは、単純相・進行相・完了相

に分けられます。

 

過去進行形などは、

時制が過去で

アスペクトが進行相ということに

なります。

 

 

時制は出来事かがいつ起ったをあらわす概念で

アスペクトは動詞の状態が時間の流れの中で

継続しているとか、終わったところとか

などの動作の段階を表す概念です。

 

この考え方に立つと、

英語の時制は2つしかありません。

英語の時制は12個あると言っている方は、

アスペクトという考え方を

採用していないことになります。

(だからといって悪いわけではありませんが…)

 

 

ちなみに、英語には未来時制はありません。

動詞に現在形と過去形はありますが、

未来形というものはないです。

未来の概念はwillや is/are going to などを

用いて表し、これら自体は現在形です。

 

アスペクト

単純相、進行相、完了相、完了進行相

の4種類です。

 

このように考えたときのちょっとした

メリットとして、

現在進行形や現在完了形も

現在形という枠の中でくくることが

できて、時制の一致や

「過程や条件を表す副詞節では

内容が未来でも『現在形』で表す」

のルールを理解・指導するときに、便利です。

 

これを、

「過程や条件を表す副詞節では

内容が未来でも現在形・現在完了形・

現在完了進行形で表す」というのは

冗長です。