アンオーソライズド(英語学習リファレンス)

英語の表現や文法についてゆるゆると

思い込み:becauseは必須ではない

Why 〜? に対する回答として

Because 〜. を使って答える練習は

誰でもやったことがあると思いますが、

このBecause はなければいけないわけではありません。

 

A: Why didn't you come yesterday?

B: I was sick.

 

日本語だと「なぜ昨日来なかったんですか?」という

質問に対して「病気でした。」というのは

口足らずという印象があると思います。

 

そのため、多くの日本の英語教師はBecause がないと

いけないと思っているでしょうが、

そんなことはありません。

 

ただし、生徒の立場なら、

日本人教師相手のテストなら

Because はつけておいた方が無難です。

表現:have trouble 〜ing

have trouble 〜ing は

「〜するのに苦労する」

という便利な表現です。

 

この表現では日本語の「トラブル」

という語感はあまり感じられないのでは。

 

have trouble understanding the meaning

これは、「意味を理解できない」

 

have trouble getting a job

これは、「仕事が見つからない」

「なかなか」をつけて苦労している感を出してもいい。

 

busy (in) 〜ing (〜するのに忙しい)と同様に

trouble (in)  〜ing 、つまり、

in が抜けた形だと理解すればいいでしょう。

 

 

have been to と have been in

(1) Have you been in New York before? 

(2) Have you been to New York before?

 

この違いは、今 New York にいるかどうかです。

だって、New York にいる人の会話として、

(2) はおかしいですもの。

「ニューヨークに行ったことはありますか?」

ってニューヨークはここですから。

(1)の訳として

「ニューヨークに来たことはありますか?」

ですかね。

 

ここで大切なのは、「行く」「来る」の

日本語の単語ではなく、

今そこにいるかどうかです。

 

ちなみに、been in は経験でも継続でもOKです。

 

(3) I have been in New York for two years.

 

これは、「東京に2年間います。」

ということです。そして、今も東京に居ます。

 

(4) *I have been to New York for two years.

 

これはおかしいですね。

「ニューヨークに行ったことがあります」

というのと動作と

「2年間」

という期間がぶつかっています。

 

2年間住んでいるといいたいなら、

have lived / have been living を使いましょう。

 

時制とアスペクト

平成21年12月の文部科学省

高等学校学習指導要領解説

外国語編英語編では、

高校で指導する内容に、

「動詞の時制など」という表現で、

『など』は時制とアスペクトの組み合わせを

指している、と明記されています。

 

高校の先生で、アスペクトという概念を

持っている方はどれくらい

いらっしゃるでしょうか。

 

結構しっかり言語学を学ばないと、

アスペクトという概念に出会うことなく

教員になると思いますし、

そのことでその方を責めることは

できないと思います。

 

時制は、現在・過去、

アスペクトは、単純相・進行相・完了相

に分けられます。

 

過去進行形などは、

時制が過去で

アスペクトが進行相ということに

なります。

 

 

時制は出来事かがいつ起ったをあらわす概念で

アスペクトは動詞の状態が時間の流れの中で

継続しているとか、終わったところとか

などの動作の段階を表す概念です。

 

この考え方に立つと、

英語の時制は2つしかありません。

英語の時制は12個あると言っている方は、

アスペクトという考え方を

採用していないことになります。

(だからといって悪いわけではありませんが…)

 

 

ちなみに、英語には未来時制はありません。

動詞に現在形と過去形はありますが、

未来形というものはないです。

未来の概念はwillや is/are going to などを

用いて表し、これら自体は現在形です。

 

アスペクト

単純相、進行相、完了相、完了進行相

の4種類です。

 

このように考えたときのちょっとした

メリットとして、

現在進行形や現在完了形も

現在形という枠の中でくくることが

できて、時制の一致や

「過程や条件を表す副詞節では

内容が未来でも『現在形』で表す」

のルールを理解・指導するときに、便利です。

 

これを、

「過程や条件を表す副詞節では

内容が未来でも現在形・現在完了形・

現在完了進行形で表す」というのは

冗長です。

 

表現:the haves and (the) have-nots

「持つもの、持たざるもの」

という意味で

the haves and the have-nots

という表現があります。

 

those who have

とかしなくていいんですね。

 

後者の have-nots

の方にはthe をつけてもつけなくても

いいようです。

 

それにしても、動詞をそのまんま

名詞のように扱うとは…

 

似たような表現に

Dos and don'ts

「するべきこと、すべきでないこと」

というのがあります。

時制の一致 その1

時制の一致とは、

that節の外の動詞が過去形のとき、

that節の中の動詞も過去形にする

という縛りのことです。

 

(1) She knows that he has cancer.

 「彼女は、彼は癌なのを知っている。」

 

(1)は、彼女は『今』彼が癌であることを

『今』知っているんです。

シチュエーションとしては、

幼い彼女に、おじいちゃんが癌であることを

隠していたのに知っていた、みたいな。

 

さて、時が経ち、祖父は亡くなってしまいました。

過去を振り返って、

「あのとき、

実は彼女は彼が癌だったのを知ってたよね」

みないなことを言いたいとき…

 

(2) *She knew that he has cancer.

 

これ、ダメなんです。

 

「なんで!?

彼女は、彼は癌であることを知っていた、って

『知っていた』は過去形だけど、

『あること』ってところ、現在形じゃん!」

 

確かに、日本語だとそうですね。

でも、英語にとって日本語の事情など、

知ったこっちゃありません。

 

冒頭で言ったように、

that節の外の動詞が過去形のとき、

that節の中の動詞も過去形になる、

という縛りが「時制の一致」なんです。

 

この時制の一致を適用して、

 

(3) She knew that he had cancer.

 

となります。

 

英語の感覚があれば、

この文は当たり前に見えます。

だって、彼が癌だったというのは

今現在からみて過去のことなんですから。

 

 

今日はここまで、と言いたいところですが、

勘の鋭い人は、

 

(4) She knows that he had cancer.

 「彼女は彼が癌だったことを知っていた。」

 

のknow を過去にすると

that節の中はどうなるのさ、

と思うところでしょう。

 

この文のシチュエーションとしては、

彼女は彼の死因が癌であることを知っている

といったところですかね。

もちろん、癌から生還したという状況でも

いいのですが。

 

続きはこのことについて扱います。