アンオーソライズド(英語学習リファレンス)

英語の表現や文法についてゆるゆると

時制の一致 その1

時制の一致とは、

that節の外の動詞が過去形のとき、

that節の中の動詞も過去形にする

という縛りのことです。

 

(1) She knows that he has cancer.

 「彼女は、彼は癌なのを知っている。」

 

(1)は、彼女は『今』彼が癌であることを

『今』知っているんです。

シチュエーションとしては、

幼い彼女に、おじいちゃんが癌であることを

隠していたのに知っていた、みたいな。

 

さて、時が経ち、祖父は亡くなってしまいました。

過去を振り返って、

「あのとき、

実は彼女は彼が癌だったのを知ってたよね」

みないなことを言いたいとき…

 

(2) *She knew that he has cancer.

 

これ、ダメなんです。

 

「なんで!?

彼女は、彼は癌であることを知っていた、って

『知っていた』は過去形だけど、

『あること』ってところ、現在形じゃん!」

 

確かに、日本語だとそうですね。

でも、英語にとって日本語の事情など、

知ったこっちゃありません。

 

冒頭で言ったように、

that節の外の動詞が過去形のとき、

that節の中の動詞も過去形になる、

という縛りが「時制の一致」なんです。

 

この時制の一致を適用して、

 

(3) She knew that he had cancer.

 

となります。

 

英語の感覚があれば、

この文は当たり前に見えます。

だって、彼が癌だったというのは

今現在からみて過去のことなんですから。

 

 

今日はここまで、と言いたいところですが、

勘の鋭い人は、

 

(4) She knows that he had cancer.

 「彼女は彼が癌だったことを知っていた。」

 

のknow を過去にすると

that節の中はどうなるのさ、

と思うところでしょう。

 

この文のシチュエーションとしては、

彼女は彼の死因が癌であることを知っている

といったところですかね。

もちろん、癌から生還したという状況でも

いいのですが。

 

続きはこのことについて扱います。