直接話法と間接話法 その1
AさんがBさんの話した内容をCさんに伝える時、
Bさんの言ったセリフを
そのまんま使うのが直接話法、
AさんがAさんの目線で
言葉を組み替えるのが間接話法です。
「Bさんが『明日ここで君に会いたい』と言った」は、
「Bさんが翌日そこで私に会いたいと言った」に
なります。
君 → 私
明日 → 翌日
ここ → そこ
というような言葉の入れ替えが起っています。
「君」が「私」になるのは、
誰が話すかで誰を指すかが変わるからです。(ダイクシス)
「明日」と「翌日」の違いを考えたことがありますか?
「明日」は、今から見た次の日のことで、
「翌日」は、そのできごとがあった次の日のことです。
「ここ」が「そこ」になるのは、
会いたいと実際に言った場所と
今話している場所が違うからです。
直接話法は聞いたセリフをそのまま言うので
どちらかというと幼稚な表現ですが、
いきいきとした描写になるかもしれません。
間接話法はセリフではなく地の文で表現するので、
大人っぽく洗練された表現ですが、
そればかりが続くと文章が単調になり得ます。
ビジネスの場などで、
上司への報告が直接話法ってのは
ちょっと考えにくくないですか。
そういった意味で、
直接話法を間接話法に直す、
聞いたセリフを自分の視線でリテリングする
ことは、一般に思われている以上に
大切なことなのではないか、と思います。
この言い換えを話法の転換と言います。